花蓮~麻美が遺した世界~【完結】

ラーメンを食べた後、俺達はまたバイクに乗ると公園へと向かう。
朱美ちゃんに再会した公園。


夕方だからか、子供の姿もほとんどなく、公園内は静かだ。


ベンチに座ると、朱美ちゃんはすらっとした足を組む。
それから、俺を見るとニヤっと笑った。

それにドキっとする。


「また暇だから誘ってよ、哲さん」

「ああ、うん」

「セクハラ上司殴った所為でさ、就職先なっかなかなくてねえ。
まあ、家の手伝いしてるからいいんだけど」

「朱美ちゃんのお家?」

「あ、知らなかったっけ?うち、スナックやってんのよ、母親」


知らない。初耳。
てか、スナックって…。


「接客するの!?朱美ちゃん!!」

「はあ!?」


ぐいっと体を朱美ちゃんに寄せて、マジな顔で朱美ちゃんに言う。
突然、俺が近くに来たからか、退き気味になりながら顔をしかめた。


だって、スナックって。
お酒飲んだりして、朱美ちゃんの体に触ったりして。
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