花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「あはは。ごめんごめん、スナックってさ小さい頃から手伝ったりしてるの?」
「ったく。いや、手伝いだしたのは最近かな。
まあ、スナックで働く親とか、ちっちゃい時は評判含め最悪だったからな。
私は母親好きじゃなかったよ。
夜、家になんてほとんどいなかったし。
だから、グレた」
「そうなんだ」
「それで、親がああだから、子供もとか言われてね。
更にイライラしてたな、あん時は。
花蓮ってそんな集まりだったな、本当に」
「皆、何かしらあるんだね」
「あるだろ、そりゃ。
まあ、それでグレるかって言ったら違う人もいるけどさ。
鬱憤晴らすのが私達の場合はレディースだったってだけ」
“悪い事したくって、レディースに入ったけど、凛さんの魅力にやられてそっからは光以外興味なかったですね”
結局、そうやって世間で悪いと言われる事に手を染める子達ってのは。
何かしらのストレスを発散してるだけなんだよな。
そこで、本当に一線を越えなかったのは。
“まあ、それを止めたのが朱美ですよ”
止めてくれる仲間がいてくれたから。
その違いなんだと、俺は思う。