花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「じゃあ、何で麻美を延命させようとしなかったんですか」

「え?」


思ってもいなかった問いに、不意をつかれて言葉がそれしか出なかった。


そんな俺に構わず、郁美ちゃんは続けた。


「だって、好きならもっと一緒にいたいって思うじゃないですか。
麻美が少しでも長く生きてくれたらって思うのが普通じゃないですか?」



その言葉にはっとした。

やっとわかった。
そうか、どうして俺が麻美を未だにフッきれないか。



俺、後悔してんだ。

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