花蓮~麻美が遺した世界~【完結】

俺は何が起きてもぶれずに、花蓮を愛した麻美を愛したのだから。


はっきりと朱美ちゃんに言われて。
あんたよりも花蓮が大事だって。


そう、言われて。


悔しくなんてなかった。


寧ろ、嬉しかったんだよ。

だって。

朱美ちゃんの中にいる麻美は。


俺の愛した麻美、そのものだったから。


いつから俺は麻美を曇らせてしまったんだろう。
俺の中にいた麻美を。

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