花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
…俺、ほっとこうかな。


そう、思ってシカト決めようと思ったら。


「証明してやっから!」


えっ?と三人の声がハモったと同時に。

俺は朱美ちゃんに強引に唇を奪われていた。


「どうだ、わかったか」


得意気に言い放つ朱美ちゃん。
それに今度は俺も放心。


なあ、今の女がすること?
俺がすることじゃねえの?


「…ぷっ」


朱美ちゃんが啖呵切ったことに、拓がげらげらと腹を抱えて笑いだした。
一しきり笑った後。

「まじかよー!朱美かよー!」

「ああ?」

「あ、すみません…」


朱美ちゃんの眼光に静かになる拓。
それから気になっていたのか、拓は言いにくそうに話し出した。
< 193 / 231 >

この作品をシェア

pagetop