花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「麻美のそんなとこが好きだったんだって、朱美ちゃんに言われて気付いたんだ」

「哲さん…」

「だから、俺朱美ちゃんのこと一生大事にするから」

「……」

「だってさ。
哲ちゃんがこんな風に言うなんて、麻美以来だなあ?」

「…哲さん、見直しました」

黙ってしまった朱美ちゃんに拓と、菜々美ちゃんが言う。
そんな菜々美ちゃんに俺は冗談めかして

「あは、惚れたらダメだよ?」

そう言った。


「あ、それはないです」

「菜々美ちゃん、即答過ぎ」

「あはははは」


その日は四人で拓の家でご飯を食べた。
拓と気まずかったのが嘘みたいに、笑い合った。


夜遅くなってきて、帰ることにした俺と朱美ちゃん。
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