花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「うん、本気の本気」
「はあー、まじか。もう、とにかく良かった、おめでとう哲」
「…ありがと」
「今度見せろよ」
「嫌だ」
「はあ?」
「だって、恋滋カッコいいから」
「はああ??」
唖然とする恋滋に俺は更に笑って言う。
「俺、ちょーヤキモチ妬きなの。
だから、嫌だっ」
「ちょ、おま。ガキかよ!」
「ガキだよー」
「ぶはっ、まじか。絶対何もないから会わせろって」
「でもなあ、恋滋がないのはわかってるけど…」
「あほ、彼女のが何もないだろ」
「まあ、そうなんだけど」
「ったく、仕方ねえな、哲は」
呆れた顔を見せる恋滋。
多分、俺の顔は不貞腐れてる。
恋滋は俺に顔を近付けると、
「信用してやんねえと、ぽーいって捨てられんぞ」
そうやってニヤっとしながらアクドイ顔をして言い放った。