花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「ぐぐっ」
言葉に詰まってると、恋滋はケラケラ笑いながらお店へと戻って行く。
「バカヤロー!」
その背中に向かって言うけども、ダメージ効果はない。
恋滋はまだケラケラと笑っていた。
恋滋の野郎、からかいやがって。
まあ、でも本当にそうかもしれないな。
信用はしてるけど、大事だと思うからこそ。
離れて行くのが怖いと思っちゃうんだ。
一度、永遠に失ったから。
もう、離したくなんてないのに。
「店長ー、電話ですー」
雅紀から声がかかって、我に返った俺は返事をしながら急いで雅紀のとこへと向かった。
電話対応をして店内に戻ると、そこには雅紀と話している堤さんがいた。