花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「どうかな、哲君」

「お疲れ様です、めっちゃいいですね」

「本当に?」

「はい、このシルエットカッコよすぎです。
あ、でももう少し下げて…、失礼しますね」


そう言いながら、俺はベルトループに手をかけて少し下に引っ張る。
それから、裾元を直した。


「どうですか?」

「…いいね!」

「堤さん、こないだ買ったジャケットあるじゃないですか」

「ああ、チェックの?」

「そうです、それと合わせたら絶対カッコいいです」

「確かに、いいかもね」

「後は、ハットとか、ベルトとか小物も…」

「もう、哲君うますぎだよ。全部欲しくなっちゃう」

「あはは、腕が違いますから」

「いいや、全部買っちゃお。今週末、ちょっと着て行きたくて」

「今週末?」


堤さんが帽子を試着しているから、その後ろで首を傾げながら尋ねる。
あ。帽子やっぱり、似合う。
堤さん、本当にJUN似合うなあ。
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