花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
キム、登場。
遅番じゃねえか。
どうしてこんなはええんだよ。
「早いな…キム」
「今日少し早く来て雅紀の手伝いしてくれって言ったの店長ですよ~」
そんな事言って…たかもな、俺。
今日は在庫確認とか、とにかく大量だったし。
自分で言った事だってのに、頭を抱えたくなるわ。
「それはそうと、何ですか、この騒ぎは」
「いや、何でも…」
「店長に彼女が出来たんです!」
俺がどうにか濁そうとしたのに、ハッキリと雅紀が言ってしまった。
………コノヤロウ。
その後ろでまた堤さんが吹き出す。
堤さんまで…。
はあっと思わず俺は溜め息をつく。
「店長に?」
こいつにはあんま知られたくなかった。
「まじ?店長、可愛いですか?あの子より可愛いですか?
見せて下さい見たいっすーーー」
「あの子?」
「店長を待ってた女の子です!」
「ええ、そんな子が」
仲良く堤さんと会話するキム。