花蓮~麻美が遺した世界~【完結】

「あはは、哲君、一緒に騒いで悪かったね」


仏頂面してたであろう、俺に堤さんが申し訳なさそうに謝る。
それに俺はすぐに笑顔で返した。


「いや、いいんです!悪いのはあいつ等ですから」

「仲良しだね、本当に」

「仲良しって言うんですかね。あれは」

「うん、仲良しだよ、愛されてるね、哲君は」

「堤さん。でも、俺大爆笑したの忘れませんから」

「う。困ったな」

「あははは」

「あはは」

俺達は顔を見合わせると笑い合った。


それから、堤さんは結局俺がオススメしたコーディネートを丸々買った。

帰り際、買い物袋を渡しながら話しかける。



「堤さん、彼女と楽しく過ごして下さいね」

「うん、ありがとう、哲君。
哲君も仲良くね」

「はい、もちろんです」

「ちゃんと素直な気持ちを伝えるんだよ」

「…素直な気持ち?」
< 211 / 231 >

この作品をシェア

pagetop