花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「あはは、哲君、一緒に騒いで悪かったね」
仏頂面してたであろう、俺に堤さんが申し訳なさそうに謝る。
それに俺はすぐに笑顔で返した。
「いや、いいんです!悪いのはあいつ等ですから」
「仲良しだね、本当に」
「仲良しって言うんですかね。あれは」
「うん、仲良しだよ、愛されてるね、哲君は」
「堤さん。でも、俺大爆笑したの忘れませんから」
「う。困ったな」
「あははは」
「あはは」
俺達は顔を見合わせると笑い合った。
それから、堤さんは結局俺がオススメしたコーディネートを丸々買った。
帰り際、買い物袋を渡しながら話しかける。
「堤さん、彼女と楽しく過ごして下さいね」
「うん、ありがとう、哲君。
哲君も仲良くね」
「はい、もちろんです」
「ちゃんと素直な気持ちを伝えるんだよ」
「…素直な気持ち?」