花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
朱美ちゃんは悲しみとか、悔しさとか、そういうのを話さない子だと思う。
自分の中の苦しみを誰かと共有しようとはしない。
自分で解決して、受け入れる。
朱美ちゃんの中で、それが当たり前だったんだ。
そのクセ、他人の痛みまでも自分の痛みに変えてしまう。
朱美ちゃんが傷付いて、泣きそうになった時。
俺だけはいるって。
もっと、強く言わなきゃ。
朱美ちゃんが一人で苦しむだなんて、俺には耐えられない。
明日、会おう。
何時でもいいから。
そして、俺は朱美ちゃんに伝えよう。
“好きだ”と。