花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
両思い
しまっていた携帯を取り出すと、俺は朱美ちゃんへとメールを送る。

【明日、話したい事がある】


それから、一通り仕事をこなすと背伸びをして一息ついた。
缶コーヒーに手を伸ばし、それを一口飲んだ。


「…帰るかな」


ぽつりと呟いてから、俺は机の上にあった書類をまとめてファイルに挟む。
腕時計を確認すると、かれこれ一時間以上が経っていた。

帰り支度を終え、外に出たぐらいで携帯が震える。
相手は朱美ちゃんだった。


「もしもし」

「あ、哲?何?外?」

「うん、外。今から帰る」

「まじか。お疲れ様」

「ふふ、ありがと」

「つか…何だよ、話って」


さっきのメールが気になっていたらしく、そう問われる。
俺はクスクスと笑った。
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