花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「俺…ずっと、麻美を好きだったでしょ?」
「うん」
「こう言ったら怒るかもしれないけど…。
朱美ちゃんと麻美って、どっか似てるんだよね」
「似てる?」
そう尋ねてから、朱美ちゃんは首を傾げる。
それにふふっと口角を上げた。
「そう。似てるって思ってたんだ、ずっと。
再会してから、最初はね、恋愛感情とかは持ち合わせてなかった。
…いや、持ち合わせてないと思ってた」
「……」
視線を伏せたまま、俺は続ける。
「麻美を好きじゃなきゃいけない、ってどこかにあったのかも。
もちろんね、麻美以上がみつからなかったってのはあるんだ。
自分で勝手に首を締めてたんだと…思う。
そんな時にね、朱美ちゃんと再会して、遊ぶようになって…」
朱美ちゃんと公園で会った時の事。
海に行った事。
そこでの出来事を思い出す。