花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「……」
突然の告白に、朱美ちゃんは驚きを隠せないみたいだ。
「そうやって、自覚したのはそれが最初。
ずっと、朱美ちゃんの事を気になってたと思う。
ただ、それは大事な仲間って意識かと思ってた」
元花蓮で、麻美とも仲良くて、友達だって思ってたんだ。
最初は、本当に。
だけど、朱美ちゃんは俺が思ってる以上に真っ直ぐで。
相手の事をここまで考えられるのは、麻美以上じゃないかって思った。
「麻美の事をはもちろん、今も大事に想ってるよ。
だから、これからも思い出すと思う。
でも、それは赦して欲しい」
「…そんなん…怒るわけないじゃん」
ぼそっと独り事の様に言う朱美ちゃんにするすると口角が上がって行く。