花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
これじゃ、どっちが男だかわかんないじゃん。
俺のが余程頼りない。
俺が言いたかった事、逆に言われちゃったし。
まあ、こんな関係もいいのかな。
「朱美ちゃんもだからね。
絶対に俺に言ってよ?」
「うーん、わからん。でも、言う様にするわ」
「わからんって。
あ、朱美ちゃん」
「何?」
「朱美ちゃんは俺の事好き?」
「はあ?」
意味わからんって顔をしながら、俺を見てる朱美ちゃん。
俺も言わなきゃって思ったけど、やっぱり自分も聞きたい。
不安だとか、そう言うのってよりは、幸せだなって思いたい。
「言ったじゃん、何でも言えって。
俺、朱美ちゃんに好きって言われたい」
「…何か、違う気がする」
「言って言って。聞きたい」
子供の様に駄々をこねる俺に呆れ気味。
だけど、俺は期待を込めた瞳で朱美ちゃんを見つめる。