花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「おめでとーー」


「ありがとうな!」



そうやって幸せそうに笑う夏樹の横で、ぺこりとお辞儀をするあかりちゃん。



ウェディングドレスが似合ってて綺麗だなあ。






俺は今日、夏樹とあかりちゃんの結婚式に来ていた。


三年の恋…、いや、夏樹にとったら十三年越しの恋がついに実を結んだわけでして。




俺も、二十六になったのか。
はええなあ。





いつの間にか働いてるアパレルの店長にもなっちまって。






時が経つのははええな。

ああ、このセリフがおっさんだな。



ぽけっと、幸せそうな二人を見つめる俺に夏樹が尋ねた。




「哲、二次会三次会まで来るだろ?」


「当たり前よ!」


「ぶは、当たり前って」


「信司もだろ?」

俺が隣の信司に尋ねると、信司は渋るように言う。


「俺?俺はなあ」


「何言うんだって!拓だって行くだろ?」


「ああ、やっぱり俺もか」

俺に言われることを拓は予想していたのか、溜め息をつく。


「道連れだ、道連れ」


「ひでえな、道連れって言い草」




夏樹が綺麗な顔を歪めると、皆で笑った。
< 3 / 231 >

この作品をシェア

pagetop