花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「俺も何もないよー」
「えー哲さんも?拓斗より面白そうだと思ったのに」
「はは、俺だってつまんない毎日だよ」
「嘘だー。哲さん、その容姿でそれはないわー」
「どの容姿だって」
「だって、毎日告白されてもいい感じじゃん」
朱美ちゃんがそう言うと、拓がぶっと吹き出した。
「哲ちゃん、確かにモテるけど、朱美。それ言い過ぎ」
そうー?なんて首を傾げる朱美ちゃんに俺は
「ああ、さっき告白されたけど」
さらっと告げる。
「はああっ!?」
重なる二人の声。
「告白ってまじで?」
まじまじと俺の顔を覗き込みながら拓が尋ねた。
「まじ」
俺はウーロン茶を流し込みながらしれっと言う。