花蓮~麻美が遺した世界~【完結】

「俺も何もないよー」

「えー哲さんも?拓斗より面白そうだと思ったのに」

「はは、俺だってつまんない毎日だよ」

「嘘だー。哲さん、その容姿でそれはないわー」

「どの容姿だって」

「だって、毎日告白されてもいい感じじゃん」


朱美ちゃんがそう言うと、拓がぶっと吹き出した。


「哲ちゃん、確かにモテるけど、朱美。それ言い過ぎ」

そうー?なんて首を傾げる朱美ちゃんに俺は

「ああ、さっき告白されたけど」

さらっと告げる。


「はああっ!?」


重なる二人の声。


「告白ってまじで?」

まじまじと俺の顔を覗き込みながら拓が尋ねた。


「まじ」

俺はウーロン茶を流し込みながらしれっと言う。
< 49 / 231 >

この作品をシェア

pagetop