花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「うわー。モテる男ってやだわー。
私が哲さんの彼女なら、やってらんないわ」

「朱美ちゃん、そんな事言わないでよ。
俺一途だし」

「それは知ってるけどね」

「でっしょー。じゃあ、俺の印象悪くしないでって」

「いつか、哲さん刺されそうだ」

「はははは」

「はははは」

拓と、俺はその朱美ちゃんの言葉に大きな声で笑った。


もしも。

本当に誰かが刺してくれるのなら。


確実に殺してくれ。

そう、思う。


残された命だから、俺は今生きてるけど。
本当は麻美の元へ行きたい。
そんな事したら絶対麻美が許してくれないのわかってるからしないけど。


その日はずっと、三人で仲良く話をした。
途中で菜々美ちゃんも加わったりもして。


拓と菜々美ちゃんは一緒に帰るからとさよならをして、俺は朱美ちゃんと居酒屋の前にいた。
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