花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「あ、哲さん。連絡先教えてよ。
また飲み行こうよ」

「え?あ、うん。待って携帯携帯」

ボトムのポケットに入れていた携帯を出すと、俺は朱美ちゃんが口頭で言う電話番号を打ち込む。
そして、それにワンギリをかけた。


「来た。おけ。電話していい?」

「もちろん」

「哲さんに男でも紹介してもらおうかなー」

「朱美ちゃんも彼氏欲しいの?」

「はあ?どうしていらないと思うんだって」

それはまあ、ごもっともなんですけど。

でも、朱美ちゃんは芯があると言うか。
佐緒里ちゃんとか、琴子ちゃんとか、菜々美ちゃんは男がいないとダメな感じがするけど。
朱美ちゃんはどちらかと言えば麻美と似てると思ったから。


「ったく、だって、私もう25だよ?片親だし、孫とか早く見せてやりてーじゃん」

「………意外」

「ちっ」

「う゛…」


舌打ちと共に腹に肩にパンチ。
……これは効きます。まじで。

現役の時と変わらないんじゃないか。
いや、現役の時パンチ受けてないけど。
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