花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「今行くー。
雅紀、ちょっとここの検品頼むわ」
「了解です!」
残りの商品の検品を雅紀に頼むと、俺は堤さんの元へと急ぐ。
キムと話をしている堤さん。
今日の堤さんはこの間発売されたJUN新作のTシャツにストールを巻いている。
ノンウォッシュのデニムをすっきり着こなすとこはさすがだ。
ごつめのベルトも、ウォレットチェーンも似合っている。
なのに、靴はスリッポンで外すという上級テクニック。
オシャレな堤さんが俺は好きだ。
「おー哲君」
堤さんは俺に気付くと、新作のベストを置いて俺に近付く。
「堤さん、こんにちはー」
「じゃあ、堤さん、また後で話しましょ」
キムが俺に任したとばかりに、堤さんに声をかけると仕事に戻って行った。