花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「その相手がどんな人かわからないけど、こんな素敵な哲君に想われているんだから…。
よっぽど素敵な人なんだろうね」

「…………」


ああ。
俺、やっぱり堤さん好きだ。

この人は本当に心根が優しい人だな。
彼女、大事にされてんだろうな。

どう頑張っても、堤さんの幸せな未来しか見えない。


「……とっても、周りから愛されてる人です」

「やっぱりね。哲君みたいじゃないか」

「堤さん…」

「いつか、その彼女写真でいいから見せてね」

「………はい、必ず」

「さ、そろそろ洋服見ようかな」

「そうですね、いつも堤さんとは話が弾みすぎるから」


ははっと笑い合いながら堤さんは結局、新作のTシャツを購入して帰った。
買ったばかりだって言うのに、好きだな。本当。

まあ、俺もそうだからJUNで働いたんだけど。


営業終了時間になってから、雅紀は洋服を畳んで掃除をして、キムはレジを締めている。
俺は勤務表に取りかかり中。


終わったのか、雅紀が俺のいる部屋にひょこっと顔を出す。
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