花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「店長、終わりました」

「じゃあ、上がっていいよ。お疲れ」

「はい、お疲れ様です」

「また、明日な」

「はいー」

元気よく、頷くと雅紀は帰宅の準備をしていた。


「あ、店長」

「んー」


パソコンに打ち込みながら、俺は雅紀に返事をする。


「明日、飲み行きません?」


急な誘い。
俺は一旦、キーボードを触る手を止めて、雅紀を見た。


「明日?」

「無理ならいいんすけど…。副店長も誘って。どうすか」

「おー…明日…」


確か、予定なかったな。


「いいよ」

「まじですか」


キラキラと目を輝かせた雅紀は、じゃあ副店長にも言ってきますと走って行った。
外では雅紀の大きな声がする。
丸聞こえだ。
< 63 / 231 >

この作品をシェア

pagetop