花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
雅紀を見送った後、ささっと俺に近付くキム。


「…雅紀、まじ店長ラブっすね」

「……な」


まあ、そんなとこも可愛いんだけども。


「あ、携帯鳴ってますよ。店長」

「え、ありがと」


俺はキムにお礼を言うと、パソコンの隣にある携帯に手を伸ばした。
誰かを確認すると、その相手は……あの子だった。


【哲さん、こんばんは。
お仕事終わりましたか?
お疲れ様です。
私も終わりました~。
疲れました♪
今度、お誘いしてもいいですか?】


……毎日、この調子。



「彼女っすか~」

「違うよ」

「ええ、こないだ来た子っすかね」

「は。何、それ」


キムに問い詰めると、たじろぎながら

「こないだ“哲さん、いますか?”って女の子来たんすよ」

と言った。
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