花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「………女の子?」

「はい、髪の毛は肩くらいで、茶髪で、スタイルいい可愛い子」

「あーーーー……で?」

「いや、店長休みですって言ったらそうですかって帰って行きました」

「…そっか。ありがと。多分、知ってる子」

「ええ、まじすか。めっちゃ可愛かったっす。あの子」

「お前には彼女いんだろ」

「それとこれとは別です」

「何がだ」


本当に、これだからキムは。
今の彼女に振られない事を祈る。


呆れた顔でキムを見ると、キムは更に続けた。


「それにしても、本当に店長女いないの信じられないっす」


今日は皆して、その話題だ。
何だ、俺に彼女いないのがそんな珍しいか。

俺はそんな遊んでそうか。


「店長、付き合ったら絶対一途ですよね」

「…何でそう思う?」

「雰囲気」

「…………」


即答するな、しかもドヤ顔で。
雰囲気って何だ。

わからないにもホドがある。
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