花蓮～麻美が遺した世界～【完結】

「俺さ、前に言ったけど…好きな人いるからさ。
あんまり二人で出掛けたりして期待持たせる様な事、したくないから…。
メール返事しなかった。ごめんね」

「わかってます、麻美さんですよね？」

「は？」


侑美ちゃんの返しに、俺は目を点にした。
そんな俺の顔を眉を下げてみる侑美ちゃん。
そのまま続ける。


「哲さんの好きな人知ってます」

「………知ってたの」


力なく言葉を零す俺。
拍子抜けしたというか、なんつうか。


「麻美さんに勝てるとか思ってないです」

「侑美ちゃん」

「でも、いいんです。
哲さん、本当に好きなんで」

「は、はあ…そう」

「二番目でいいんで…好きになって下さい」


……何度も言うけど。
本当に凄い積極的だ。