花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「期待、しないでね」

「わかりました」

「まあ、俺に彼女が出来るとかはないと思うけど…もしそうなったらあんま連絡取らなくなるから」

「大丈夫です、その時は私も諦めます」

「そっか、うん、ありがとう」

「はい、強引なのわかってます、すみません」

「いや、気持ちは嬉しいよ。本当に」


受け取れなくて、申し訳ないと思う気持ちの方が強い。
だから、嫌って欲しいと思う。
だけど、きつく言えない俺がいる。

最終的に優しくしてしまうのが、俺の悪いとこなのかも。


“…まあ、きっと哲さんが優しいって事だよね。
っつうよりも、お人好し?”


朱美ちゃんの言葉を思い出す。
確かに、本当にそうなのかも。


きっと、これが相手を傷付けている事もわかってるんだ。
< 71 / 231 >

この作品をシェア

pagetop