花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
俺はバイクを止めて降りる。
それから、佐緒里ちゃんと向き合って優しく諭すように言った。
「…佐緒里ちゃん。
安心して。俺。まだ、麻美だけが好きだから」
「っ!」
ガバっと顔を上げて、俺を見る佐緒里ちゃんの顔は酷く辛そうだ。
眉を顰めて、奥歯を噛み締めている。
拳は強く握りしめられていた。
「だから、佐緒里ちゃん。
侑美ちゃんが誰であろうと、俺には関係ないんだよ。
俺は麻美以外、好きになれないんだから」
「…哲、さん…」
後悔したように、佐緒里ちゃんは俺の名前を零す。
佐緒里ちゃんはさっきまで、麻美以外を見て欲しくないみたいな事を言ったのに。
いざ、麻美しか見ていない俺を知ったら辛そうにする。
矛盾している。
でも、きっとそれが佐緒里ちゃんの優しさ。
皆。
花蓮の皆は麻美のいなくなった隙間を埋めるのに、必死だったんだ。
きっと、俺なんかよりも。
ずっと、一緒にいたんだ。
佐緒里ちゃんが一番麻美と一緒にいたんだから。
拓は抜きにして。
今も。
隣にいる事が当たり前のはずだったのに。
それから、佐緒里ちゃんと向き合って優しく諭すように言った。
「…佐緒里ちゃん。
安心して。俺。まだ、麻美だけが好きだから」
「っ!」
ガバっと顔を上げて、俺を見る佐緒里ちゃんの顔は酷く辛そうだ。
眉を顰めて、奥歯を噛み締めている。
拳は強く握りしめられていた。
「だから、佐緒里ちゃん。
侑美ちゃんが誰であろうと、俺には関係ないんだよ。
俺は麻美以外、好きになれないんだから」
「…哲、さん…」
後悔したように、佐緒里ちゃんは俺の名前を零す。
佐緒里ちゃんはさっきまで、麻美以外を見て欲しくないみたいな事を言ったのに。
いざ、麻美しか見ていない俺を知ったら辛そうにする。
矛盾している。
でも、きっとそれが佐緒里ちゃんの優しさ。
皆。
花蓮の皆は麻美のいなくなった隙間を埋めるのに、必死だったんだ。
きっと、俺なんかよりも。
ずっと、一緒にいたんだ。
佐緒里ちゃんが一番麻美と一緒にいたんだから。
拓は抜きにして。
今も。
隣にいる事が当たり前のはずだったのに。