花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
返信することなく、携帯をポケットに入れると俺は定食屋へ行こうと外へと向かう。
従業員用の入口から外へと出る。
それから、携帯を取り出して朱美ちゃんに電話をかけた。

さすがに、お店の中では電話出来ないからね。


プルルというコール音は一度鳴っただけですぐ、途切れた。


「朱美ちゃ…」
「あー哲さん!?」

「…そう」


俺の声に被せて、朱美ちゃんが話すのにまた苦笑する。


「あのさー、明日とか暇じゃない?」

「また急だね」

「うん、暇で」

「暇でって…」

「だって、誰誘うか悩んでさ、佐緒里はいないし。
琴子は仕事あるし、菜々美も拓斗いるし。
色々考えてて、哲さんに辿り着いた」

「ははっ。わかった、大丈夫だよ」

「まじ!やった。明日も仕事?」

「うん、休日だし、遅くなると思う」

「了解~。準備して家で待ってるわ」

「はい、わかった。じゃあ、また」

「あーい」


通話を終えてから、ポケットにまた携帯をしまうと俺は歩き出した。
それにしても、朱美ちゃん。
久々だな。

拓斗と飲んだ以来だもんな…。
軽く一ヶ月前とかじゃないかな。


明日は頑張って早く終わらせないとだな。
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