純情りぐれっと
「あの人がうちの好きな人!!」





ちょっぴり照れたように顔を赤くしながら

ユイは教室の中央で、机に少し寄りかかりながら

数人の友達と笑いあっている男の子を見つめていた。






「・・・っ・・・。」







一目惚れだったのかもしれない。



恋なんて、本当にしたことがないまま



この年まで来てしまったから



今、胸の内で大きく大きく



鼓動しているこの心臓の



痛みがどこからくるのかすらわからない。





背が高くて、目鼻立ち整った端正な顔立ち。




私と同じくらいに色白な肌に、




羨ましいくらい長い睫。




少しおっとりした雰囲気を持っていて




優しく微笑んでいる姿に不思議と惹かれた。





「詩羽??どしたの??」





ぼんやりしていたらしい、





ユイがちょんちょんっと私のほっぺたをつついていた。





「あ。。。ううん!何でもないよー!!」




誤魔化すように、笑顔を取り繕って

ユイに向き直る。




「かっこいいじゃん~!彼、ホント優しそうだね♪」




「でしょ~♪」




「名前は??」





「ん、相馬春樹っ!!」



相馬…春樹・・・・。


キミの名前を知ってから。

また少しずつ心臓が傷んだ。


「へー!いいなぁ!うらやまし!誰か付き合ってくれないかなー♪」



冗談ぽく言うと、ユイは慌てて






「はッ・・春樹はダメだからねっ!」




といった。




「はいはいw大丈夫w」


そうだよ、大丈夫。


友達の好きな人を好きになるなんて


そんな最悪な初恋ありえないでしょ。



でも、、、



どんな顔をして、ユイ(好きな人)に微笑むんだろう?

声はどんな感じだろう?




もっと知りたい。


でも、いけない。


一番好きになっちゃいけない存在。



苦しさは増して行くばかりで


いつになったら


この痛みは消えるの??










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