32 Days


緑を埋め尽くすくらいたくさん建てられている墓


「彼等の殆どは、この戦争で亡くなった方々です〜。帝国の為に命を張ってくれた…勇気ある英雄達です〜。」

こんなに沢山、この戦争で亡くなっている


「けど、誰も彼らの事は覚えてないんだろ…?」


直樹の言葉に、雲母は悲しそうに「はい。」と頷いた


俺達の世界では、死んだ者の存在は記憶から抹消される


何でかは分からないが、昔からそういうものだった


生きている人達は、その人との思い出も
全て忘れて


ただ、そんな名前の人物がいたという事実しか残らない


「じゃあ、墓なんて建てる必要あんのか?誰も覚えてないのに…意味ないだろ?」


「きっとこれは…償いなのですよ。」






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