32 Days
「…篤斗には、感謝してるよ。」
「あ?」ジュースを飲みながら、篤斗は首を傾げた
「あの時篤斗が来てくれなかったら、きっと俺も殺されてた。あの時死んでいたら、俺は今ここにいない。
何も果たせないまま…世界から消えていくだけだった。」
篤斗に救われ、街を追われた俺の中に芽生えた夢
目標
ありきたりだけど…蒼国への復讐
それが今の俺の原動力だ
「…お前はさ、何で死んだ者の存在が消えるか知ってるか…?」
「え?」俺は首を傾げた
存在が消える…理由?
「生きてる者が、悲しみに囚われないようにだって仮説がある。大切な人の死を乗り越える為、前を向いて生きる為…そのために、俺達は死者の存在を失うのさ。」