32 Days
「…。」
いきなり、何だというのか
篤斗の言葉に耳を傾けながら、俺はジュースを口にする
「なぁ、遥。」少し切なそうな声が、聞こえた
「お前は俺の事…忘れないよな?」
「…篤斗?」そう言った篤斗の顔は、少し不安げだった
だからだろうか
いつもと違うから、俺は一瞬言葉を失いかけた
「…な、何言ってんだよ!当たり前だろ!!
ていうか、篤斗が死ぬはずねぇじゃん!!」
紅国最強のくせに、今更何言ってんだか
「…まぁな。」笑った篤斗は、いつも通りの笑顔に戻っていて
俺はどことなく安心した
「お前こそ、せっかく前線に出て来たんだ。簡単にぽっくり逝くなよ?」
「当たり前。俺がそう簡単に殺られるとでも?」