君がいたから。
東京に着いた私とお父さんはまず、私の通う学校を見に行った。


私のお父さんは、小さな会社に努めている社員。

6年前、母と離婚してからはずっと私の面倒を見てくれている。

運動会や授業参観は一度も来てくれないけど、私が大学に通えるように

頑張ってくれているだけで十分。


「凛華、ここがおまえの通う学校だ。」


お父さんが指をさした方を向くと、そこには大きくてきれいな学校があった。


「手続きとかはもうしておいたから、明日から通いなさい。」


お父さんは微笑んで言ったが、私は心配でたまらなかった。


「さあ、私達の家を見に行くか。」


お父さんはさっきよりも笑いながら私の腕を軽く引いた。


それから車に乗り軽くドライブをして新しい家に着いた。

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