好きになってよ
「あいつがおまえの彼氏なのか?」
不意に赤田に声をかけられた。
「そうだよ」
私は亮を見ながら、返事をした。
「あいつは、やめといた方がいいぞ」
言われたくないことを言われた。
その瞬間、今まで溜め込んでいたものが爆発した気がした。
「そんなのあんたに言われたくないよ!
いいかどうかは私が決めることなんだから!
勝手に彼を悪く言わないでよ!」
そう言った私は、今度は持っていた体操服の入ったバッグを赤田に投げつけた。