和田菜月物語
「せな!せな!しっかりして!!」

私はせなに話しかけた。
あまり体は動かさない方が良いって言ってたから声だけかけた。

「せな!!」

すると後ろから希ちゃんが来た。
希ちゃんは包帯を持っていた。
そしてせなの様態を確かめながら頭に包帯を巻いた。

「和田、ちょっと相川のとこに居ててくれる?」

そう言われた私は少し迷った。
亮磨の話を聴きたかったからだ。

すると亮磨は私を見て頷いた。
きっと後で話すと言うサインだろう。

「うん!わかった!」

希ちゃんは笑ってくれた。
そしてVIPルームまでせなを運んだ。

するとVIPルームの机には紙が一枚置いてあった。

「何これ…?」

私は恐る恐る紙を見た。

―菜月へ―
菜月。
私が無理やり頼んで部屋に入れてくれてありがとう。
すごく嬉しかったよ。
心友が出来て嬉しうかった。
すべてが楽しい日々だったよ!
まっ、2日だけだったけどね…。(笑)
それでもすごい良い思い出だよ!
こんなに笑った日々は久しぶりだった。
ありがとう!!
またどっかで会えたら良いね。
その日まで待ってるね。
いや…。
会おう!!
32年の10月9日に!!
その日にまたここに来る!!
この沖縄に!!
その時、3班メンバーで会おう!!
約束だよ?
じゃあバイバイ。
―由紀―

由紀…。
先に帰っちゃったんだ…。
でも私も嬉しかったなぁ…。
心友が増えて。

会おう。
絶対に今から7年後かぁ…。
じゃあ2020年かぁ…。
20歳かぁ…。

うん。
絶対に約束しよう!!

その時…。

「ん…。な、菜月…?」
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