和田菜月物語
「何で私達が…」

「泣くなよ未来…」

「だって…。あとちょっとで1年生大会だったのに…」

「それはそうだけど…」

「それに…。ペアも替わったんだよ!!」

「確かにそうだ…。でも…」

「新ペアでもっと練習したかった!!」

そう言って未来は走って逃げた。

ペアはいつの間にか変わってたらしい。
飛鳥と未来がペアになった。
みさは美郷とペアに。
桜は寧々とペアに。
愛子は瑞希とペアに。
他はまた別とペアに。

そんな感じでペアは替わって練習も変わった。
だから余計に悔しかったらしい。

「未来…」

「何かごめん…。菜月にも迷惑かけて…」

「ううん…。大丈夫だよ…」

そうだ…。
未来はまったく悪くない…。
私が悪いんだもん…。

「ちょっとウチ未来の事見に行ってくる!!」

そう言って飛鳥も走って行った。

「どうして私ばっかり…。何で…」

「それは君の運命だよ…」

そう言ったのは前田だった。

「ま、前田…」

「ここでは神埼にしてくれ…」

「あっ…。はい…」

私がそう言うと前田は少し笑った。
そして私の頭を少しポンポンとした。

「俺はもうお前に関わらない…」

「えっ…?」

「また…」

そして歩きながらこう言った。

『また7年後な…』
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