和田菜月物語
そして放課後。
ついに来てしまった…。

私はみさの家に向かった。
みさの家はすごく広い。

特に庭。
庭にはテニスコートがある。

そのテニスコートはすごくキレイに手入れされている。

そんな所でテニス対決…。
考えただけで…。

「来たんだ」

みさは私を見るなりにそう言った。
その目は真剣だった。

「当たり前じゃん…」

「やっぱり訳ありだね…。菜月…」

「えっ…?」

「本当に菜月のせいならここには来ないはずだもん…」

「みさ…」

そしてみさは深く息を吸いこう言った。

「だからこそ真実を知りたい!!」

そう言ってみさは私を家の中に連れて行った。

「おじゃましまーす…」

そしてみさは私にラケットを渡した。

「じゃあ行こうか」

「うん…」

そして戦いは始まった。

みさがサーブだった。
私はレシーブ。

みさのサーブは早すぎる。
4球中1球しか返せなかった。

「1ゲームはウチの勝ちだね」

負けた…。
あと2ゲーム取られたら負ける…。
けど負けられない…。
みさにまで迷惑はかけられない…。

「まだ諦めないでね」

「もちろん」

そして私がサーブになった。
さっきは4-0で負けた。

1点は取りたい…。

「じゃあゲームカウント0-1」

みさがそうコールした瞬間、私はサーブを入れた。

けど簡単に返された。

やっぱり仮入部だけじゃダメかぁ…。

ラリーは続いたけどショットを入れられ終わった。
そしてそこから3点取られた。

0-3の時の最後のサーブだ。

私は負けを認めそうになった。

けど頭の中に浮かんだみんなの顔。
みんなの笑顔。
私はみんなの笑顔を壊したくない!!

その気持ちを私はサーブにすべてを込めた。
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