和田菜月物語
「初めまして!!杉本希です」

私は新しい生徒に挨拶をした。
みんなは歓迎していた。

だが一人だけ違った。
それは小太郎だった。

そしてある日。
私が屋上の様子を見る係だった時の事。

「杉本先生」

「えっ?」

私を呼んだのは小太郎だった。

「確か…。前田君…?」

「そうです」

小太郎はニコッと笑った。

「こんな場所危ないよ」

「大丈夫です。杉本先生が内緒にしてくれれば」

「…矛盾してるなぁ」

私は苦笑いだった。

「何か用?」

「はい。聞きたい事がありまして」

「聞きたい事?」

そう言って小太郎は私に写真を見せた。

「こ、これって…」

その写真に写っているのは兄さんだった。

「何で…。兄さんの写真を…」

私は小太郎を見た。
小太郎は満面の笑みだった。

「何でって僕は前田望の息子ですから」

それを聞いて私は腰を抜かした。

「あなたが何の用なの!?」

私は小太郎を警戒した。
小太郎は悪魔のように笑った。

「大丈夫ですよ、何もしないです。…ただ教えてください」

「な、何を…?」

そして小太郎は悪魔のような笑顔から不気味な笑顔になった。

『僕の母親の場所をです』
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