和田菜月物語
そのあとの教室この話題でいっぱいだった。

私は飛鳥に気になって聞いた。

「何があったの?」

飛鳥の顔は悲しそうだった。

「うちが、愛香達に絡まれた時にあいつが助けてくれて…」

私の頭の中で色んな事が思いついた。

「何で血なんか…!?」

飛鳥は驚いたような目をしていた。

「愛香達が持っていたものを、うちに投げてきてそれをかばって顔に直撃して…」

きっと私の目は憎しみに満ちていたと思う。

「菜月落ちつ…」

「こんな時に落ち着いていられると思う!?」

飛鳥は私の迫力に腰を抜かしてしまった。
我に戻った私は

「ご、ごめん…。ついカッとなちゃって…」

泣きそうな私に飛鳥は笑顔で私の頭をなでてくれた。

「大丈夫だよ、あいつは死なないよ」

そんな言葉に二人で笑いあった。

だけど心の中では憎い気持ちでいっぱいだった。

私は昼休みに気になって保健室に行った。

「失礼しま~す」

保健室には寝ている雅木と、窓をのぞいている西山が居た。

「また、あんたかよ」

その言葉に私はムカッと来て
皮肉ぽっく

「ごめんなさいね!」

西山は微かに笑っているように思えた。

「大丈夫だよ、生きてるから」

「知ってるよ!」

そんなやりとりをしていると

  ガラガラ

「菜月!」

入ってきたのは亮磨だった。
急いでいるのか息切れをしていた。

「どうしたの?」

「先生が行事の事について話すから来てだとさ」

「わかった…」

私は寝ている雅木を気にしながら保健室を出た。
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