和田菜月物語
「そうなの?」

「そうだ」

「どう言う事なんだ?」

私と飛鳥は興味津々だ。

「まぁ簡単に言うと、小太郎は大川を探している。そして茶木。だから2人はまず同じクラス。そして茶木に繋がってる高島。高島は飯沼。飯沼は中井。中井は大山。大山は西山。西山は片桐って感じだ」

「なるほど…」

私はすべての繋がりを納得した。

すると未来はある事を疑問に思った。

「希ちゃん…」

「ん?どうした大山?」

「菜月は?」

その質問に私は胸がざわついた。
そうりゃそうだ…。

あんまりみんな知らないからだ…。

希ちゃんは私が困ってるのに気付いた。
そしてため息をついた。

「それは和田から聞け」

そして希ちゃんは私を見て笑った。
その笑みは女神のようだった。

「じゃあ菜月!!」

未来は私を見た。
その目はまるで夢見る少女だった。

「えっー…と」

私は目を泳がした。
未来はその目をじーっと見つめている。

そんな時に咳払いを誰かがした。

「今は良いだろ大山」

それはせなだった。
せなは知っている一人だからだろう。

「ぶー。まぁ菜月が話してくれるのを待つよ!」

「ありがとう未来!」

「いえいえ」

「どんな会話だ…」

飛鳥は呆れている。
けど顔は笑っていた。

「んじゃあクラブの事は任せろ」

希ちゃんはそう言った。
どうやらあのクラブの事も沖縄の事も今川楓を怪我させたのも全部前田の命令であって希ちゃんのやって来た事らしい。

それもあの事件を脅してやって来たらしい。

「じゃあ今まで隠しててごめんなぁ…」

希ちゃんは申し訳なさそうな表情で言った。
みんなはニコッと笑って希ちゃんを見た。

「こうやって出会わせてくれた事に感謝してます!!」

そう私が言った時の希ちゃんの表情は穏やかだった。

その話が終わった時。
時間は午後4時。
夕暮れ時だった。

そしてみんなは病室から出た。

明日からはクラブ再開する事を喜んでいた。





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