和田菜月物語
『5年3組』

これがウチらのクラス。
1年間過ごすクラスだ。

「じゃあ今日から1年間よろしく~」

みんなのテンションはアゲアゲだった。

ウチはそんなみんながウザくて仕方なかった。

そんな時後ろからこんな声が聞こえてきた。

「みんな何でこんなにテンション高いんだよ」

そう言い呆れているのは岩崎だった。

岩崎智也
サッカーが上手な男子。
顔はサルっぽい。
性格は
みんなを楽しませる
ムードメーカ的な存在だ。
だが
裏の顔は誰も知らない。

「あんたも高そうだけど…」

ウチは鼻で笑いながら言った。

「お前もだろ…」

この時からウチと岩崎は仲良くなった。

「へー。中井って雅木と幼なじみやねんな」

笑いながら岩崎は言った。

「逆に岩崎と雅木って知り合いなん?」

ウチは不思議に思った。

「いや。名前の順が近いだけ」
「ふ~ん」

そんな話を聞きながらウチの目線は雅木だった。

それに気付いたように岩崎は

「お前さぁ、雅木の事好きなんだ?」

ウチは顔が真っ赤になってしまった。

岩崎は悪そうな笑顔で

「図星か」

と、言った。

ウチは

「いや…ちが…」

すると

「気にしなくていいから。勝手に応援するからさぁ」

岩崎は何かを企んでいるような顔をしていた。
意味はまだ分からなかった。
< 36 / 261 >

この作品をシェア

pagetop