和田菜月物語
あの日からウチと雅木はまったく関わらなくなった。

「お前振られたのか?」

そう言ってきたのは岩崎だった。

「はぁ~?意味分かんないし!しかも、告ってもないし!」

ウチは怒ったように言った。

それを見た岩崎はニコッと笑って

「このままじゃ誰かに取られちゃうぞ」

そう言ってどこかに行ってしまった。

「そんな事知ってるし…」

この日から岩崎との関わりもだんだん無くなってきた。







そんな時クラスに転入生が来た。

顔はイケメンなのかブサイクなのか
人それぞれのとらえ方ができる顔だ。
名前は
『畑山翔太』
こいつはウチのいとこと友達で昔から知っている人だ。

もちろん雅木とも友達だ。

「飯沼と同じクラスだなんて嬉しいわ!」
「俺も畑山と同じで嬉しい!」

感動の再会的な事をしている。
二人へのみんなからの目線は何故か温かった。

「あっ!中井!」

どうやらウチに気がついたらしい。

「ハロ~。畑山は相変わらずだね」

二人で笑い合っていたら雅木が後ろから

「俺は今日はもう行くな」

そう言って行ってしまった。
畑山はウチらの変化を見て

「何があったかは知らへんけどさぁ…。早く仲直りしろよな」

この言葉通り早く仲直りしておけばよかったとウチは後悔する事になった。
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