和田菜月物語
帰り道

「飛鳥は今日どこに向かってるんだ?」

笑っている雅木にウチは

「プレゼント」

すました顔で言うと

「じゃあ早く買いに行こうぜ」

そして青になった横断歩道に雅木は走って行った。

「待ってよ~」

ウチも走って追いかけたら運悪くこけてしまった。

そしてまた運悪く車が突っ込んできた。

「飛鳥!」

雅木の声が聞こえた。

そしてウチは気を失ってしまった。


目覚めたら

「飛鳥さん大丈夫ですか?」

ウチは病院のベットの中に居た。
手には包帯。
それ以外は全く異常なしだった。

「あの先生…」

ウチは不安に思った事があった。

「もう一人の男の子は…」

そう言うと先生はうつむいて言った。

「あの子はね、さっき母親と話していた時に分かったらしいけど…。どうやら、頭を少しぶつけたらしく…」

その次のセリフにウチは耳を疑った。

『あなたの事覚えてないんだって…』

これがウチと雅木の人生を変えた。



< 40 / 261 >

この作品をシェア

pagetop