和田菜月物語
  キーンコーンカーンコーン
「はい席に着いて~」
「あれ?希ちゃんだ!」
「どうしたの?休みじゃなかったの?」
「ちょっと寝坊…って!さっき居たでしょ!」
「あれ?」
「あと、杉本先生でしょ!」
「は~い!希ちゃん」
「まったく分かってないじゃん…」

杉本希
私たちのクラスの担任
みんなからの人気は№1
かわいくて男子からも人気だ
普段は優しくて面白いが
怒ると先生の中で一番怖い

「まぁ言っても仕方ない…」
「おっ諦めた」
「それより今日は実行委員の男子を決める」
「え~」

男子は想像どうりの声を上げた。
そんな中飯沼は冷静だ。

「え~じゃない」
「じゃあ投票か自主的にしようぜ」
「賛成!」

そうは言ったものの誰も手を上げなかった

「早くしてほしい…」

そんな事を思っていたらみんなの思ってもいなかった出来事が起きた。

「じゃあ俺やりま~す」
「えっ?」

そう言って手を上げたのは飯沼雅木だった…。

「あんた…大丈夫?」
「だって早く終わりたいんだろ?」
「まぁ確かにそうだけど…」
「俺も早く終わりたかったし」
「あっそ…」
「ありがたく思えよ」
「あ、ありがとう…」
「どういたしまして」

そう言って飯沼は見たことのない笑顔でこっちを見ていた。
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