和田菜月物語
ボーっとしていると

「元気ないな、どうした?」

と、雅木が来た。

「雅木!」

私は
少し嬉しかった。

気にしてくれてる雅木。

その気持ちが嬉しかった。

「聴いてくれる?」

ちょっと
自信無げに言うと

「全然いいぞ!」

笑顔な雅木に
私は自信を持って言った

「実は、ある人を探してるの」
「ある人…?」

私が続けて

「名前は…」

言おうとした瞬間

雅木に向かって飛び込んできた男子。

「雅木~!」

雅木は
最初は戸惑っていたが
その男子の顔を見るなり顔が明るくなり

「一樹!」

そう言って
嬉しそうな表情だ。

男子の名前は

田山一樹
おっとりしていて
顔がリスに似ている。
いじられる事が多くてMだが
時々すっごくドS になる。
怒っている所を見た人はいない…

「どうしたの急に!」

一樹はどうやら
小学校時代の友達らしい。
もちろん飛鳥の事を知っている一人だ。

「そう言えば、ずっと居なかったけど…」

そう言う雅木に一樹は

「あ~。知らないのか…」

悲しそうな顔に雅木は

「何だよ言ってくれよ」

そう言って真剣な顔の雅木に

「わかった。実はな…」

言おうとした瞬間

 キーンコーンカーンコーン

と、チャイムが鳴った。

「あっ、時間だから行くわ!」

そう言って一樹は行ってしまった。
秘密を残して。
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