和田菜月物語
次の日
今日は5組に行く日だ。

朝から3人で登校していると

「なぁなぁ未来」

眠たそうにあくびをしている
飛鳥が言った。

「何?」

「西山ってこの頃見ないけど…」

「知らない」

即答で帰ってきた返事に
飛鳥は苦笑いだ。

「そ、それより飛鳥!雅木とはどうなの?」

そう言うと
飛鳥は普通の顔で

「何にもないよ」

と、言った。

「と言うより、今好きじゃないし。他に…」

その先は
何も言わなかった。

私も
それ以上は聴かなかった。

すると
後ろから女子たちの黄色い声援が聞こえてきた。

「キャー!飯沼君よー」

その先の人は
雅木だった。

どうやら
あんまり外の出ない雅木は
他のクラスとはあまり話さない。

だから
クラス行事で雅木を見た女子は
どうやらファンになったらしい…

「モテモテだね~」

飛鳥は
未来を見ながら言った。
未来は
飛鳥に軽くチョップを入れた。

すると
雅木がこっちに気づいたらしく
顔を真っ赤にして
走ってこっちに来て
私の耳元でこう言った。

「後で、頼み事がある」

その内容は
分からなかったが
「うん」と答えると雅木は

走って行ってしまった。
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