和田菜月物語
「今から練習しまーす」

気持ちのこもってない声で
練習の合図をするHR委員。

「はーい」

その返事も気持ちがこもってなかった。

でも
その中にも元気いっぱいの人も居た。

それは
棚木友紀と谷河永遠と湯田信樹だ。

「みんな!テンション上げようぜ!」

「カッコいいよー!のりー!」

いつもこんな感じだ。
1組ではこいつらを
『バカ3トリオ』と呼んでいる。

「バカな奴ら…」

冷めた事言うのは
内山海人と岡田弘樹だ。

内山はHR委員だ。
まぁ冷めた事言うのもおかしくは無い。

岡田は
あんまり表に出ないタイプだ。
ここだけの話。
腕相撲は誰よりも強い。

「あんな事してて何が楽しいのか…」

そんな事言っている二人の後ろに来て

「お前らそんな事言ってて楽しいか?」

そう言ったのは亮磨だった。

「大川」

岡田が冷静に名前を言ったので
亮磨は少しビクッとしていた。

「ビックリするだろう…」

私はそんな所を見たら笑ってしまった。
すると後ろから

「どこ見て笑ってんだよ…」

そう言ってきたのは雅木だった。

「えっ…?」

雅木はふてぶてしく言った。

「いつも亮磨ばっかり…」

そう言ってどこかに行ってしまった。

すると
後ろから川山亜由が

「飯沼って菜月の事好きなんだね」

そう言って消えていった。

「またそれ…?」

私はこの恋を幸せに終わる事が
出来たのを壊したのは亮磨だなんて
まだ知らなかった…。
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