王子様たちのひまつぶしっ!?
でも、いつもいつもそんな努力は無意味に終わった。

俺が徹夜で勉強してテストで90点を取れば、兄貴たちは勉強もせずに全国模試で一位、二位をとる。


俺が運動会のリレーで一位を取れば、兄貴たちは駅伝に出て活躍する。


「お前は自慢の息子だ」


俺がずっとずっと欲しかったその言葉を、兄貴たちは簡単に手に入れられる。


いつからか俺は頑張ることをやめた。


そして、自分から何かを欲するのをやめた。


どうせ手に入らない。…なら求めること自体、無意味じゃないか。


中学に上がって、凪たちと出会った。


昔からの家同士の交流もあって、顔を合わせたことは何度かあった。


それ以外にも、凪たちにもどこか自分に似たところを感じた。


性格とか、顔とか、そういうんじゃなくて、俺にコンプレックスがあるように、凪や理人にもなんとなくだけど。


何かに縛られてるんじゃないかなって。 
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