王子様たちのひまつぶしっ!?
詐欺だ。こんなの詐欺だよ。


「あ、宮崎さん、次体育だよ。マラソン」


「うっ…」


マラソンかぁ。やだなぁ。

この学園の伝統行事で、一年に一回長距離マラソンがあるみたい。


なんでも学園の敷地の周りを走るとか。


男子は五キロ、女子は三キロ。それでも学園の10分の1にもなっていないというね。


…この学園、無駄にでかいからなぁ。


「あれって、確か最下位はあれだろ?バツゲームでみんなの前で水着で校庭一周!」


えー!?最下位の人かわいそ。


まぁ、でも体育だけは自信あるから、いいんだけどね。


「葵、何気足早いもんな。この前の50メートル走は意外と早かった」

ジャージを羽織ながら女の子たちのところから戻ってきた凪君が口を開く。


「何気も意外も余計だよ!!」


「そういえば、宮崎さん。僕らの付き人ってね、いろいろやんなくちゃいけないみたいだよ?」


あ、そういえば私付き人なんてやってたっけ。


なんか最近、衝撃的な出来事が多すぎて忘れかけてたや。


「何やるの?」
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